ラヴァーズ・キス (小学館文庫)
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アイテム詳細

吉田 秋生


小学館

グループ:Book

ランキング:10976

価格:¥ 630

発売日:1999-08

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カスタマーレビュー

いろいろな形の愛を描く  (2008-08-24)
吉田秋生といえば「BANANA FISH」や、「YASHA」「吉上天女」などのサスペンスタッチのものが多いように感じますが、この作品は高校という空間の中で、いろいろな形の愛に悩む人々を描いています.同性愛、近親相姦、セシャルハラスメントなど話題は重いのですが、あっさりとしたタッチで読ませてくれます.じんわりと心に響く良作です。

トリッキーかつじわりと  (2008-08-22)
「BANANA FISH」以後、作風が激変した吉田秋生。
「YASHA」「イブの眠り」と、「BANANA FISH」的な作品が多い中で、本作は"かつて"の雰囲気を持った珍しい作品(最新作「海街diary」もその系譜に近い、原点回帰か?)。
面白いのは、若い頃の作品より若々しさがあることか。
むしろ昔が老成しすぎていたのかも・・・まるで「カリフォルニア物語」のヒースよろしく、どことなくヒネた作風ではあったし。
初見で驚いたのは、本作のトリッキーな構成。
だが、それだけの作品というわけではなく、読み返すとそれぞれのドラマがきっちり組み合わさっており、このあたりの構成力は流石だなーと。
とりたてて派手な作品ではないけど、じわりとくる深みがある作品ですね。

登場人物それぞれの「それでも好きやねん」  (2007-07-15)
 鎌倉の高校と海を舞台に、人が人を好きになるどうしようもない気持ちを描いた漫画。前の話のある場面が、別の話では、別の人間の視点で再登場したりするという、話と話がつながっているんだけれど見るアングルが変化している、そういう面白味もあります。
 ちょっと前に読んで、「雨あがる、てな、素敵な味わいがいいなあ」と好きになった漫画、同じ作者の『海街diary1 蝉時雨のやむ頃』とつながっているところもありますね。鎌倉の町もさることながら、登場人物や話の雰囲気という点で。
 文庫サイズのこの漫画を読みながら、時々どうしようもなく、こみ上げてくるものがありました。人が人を好きになるかけがえのなさと、その気持ちをどうすることもできない切なさ。登場人物それぞれの「好き」の気持ちが交錯するところは、「ありえねぇー」て感じで、くすりとさせられちゃうとこもありましたけれど・・・。
 クラシック音楽風のタイトルをつけるとしたら、『「それでも好きやねん」の主題と変奏 北鎌倉高校篇』かな(笑) 話の中に出てきたベートーヴェンの『ピアノ・ソナタ第17番 テンペスト』の曲を聴いてみたくなりました。
 1995年から1996年にかけて、「別冊少女コミック」に掲載された作品。予想していたよりも、ずっと素敵な味わいの漫画でしたね。これ、いいですね。

最も好きな漫画作品(かも)  (2007-02-09)

 実に実験的な試みの本作。それは十二分に成功していると思う。

 単純に言うなら、一つのストーリーを一話ずつ別の人間の視点で語り直すという試み。
一つ一つの話は完結していながら、相互に、ある時間をおりなし、一人一人の「想い」が語られる。
そして物語全編の最後には「ある時間」は完成され(未完成な時間なのではあるが)
胸をつかれる美しさである。

「でもしかたがない、あのひとに出会ってしまった」

 複数のキャラクターが口にする台詞だ。
誰かを好きになるというのは本当にままならない物である。 

恋人たちそれぞれのキス  (2006-12-20)
吉田氏の作品にしては比較的あっさり描かれているこの作品。どこにでもある、高校生の恋愛模様がテーマだ。
しかし、そのあっさりした作風によって、中核をなす朋章と里伽子の恋が浮き彫りになっている。また、それにおおいに貢献しているのが鷺沢の視線である(彼もまた、朋章に恋をしているので、こう言っては申し訳ないのだけれど…)。非常に鋭い審美眼を持つ彼の存在なしでは、この物語は読者に伝わらなかったものがあっただろう。

それにしても、朋章と里伽子が本当の「恋」へと発展していく過程・セリフはなんとも印象的で美しい。昨今、巷に溢れている恋愛モノの少女漫画のような陳腐なものが一切見られないのだ。
「あたしは人の顔色うかがってばっかり 自分がいやでいやでたまらない…」
「…でもそういうこと 男じゃ埋められないだろ(中略)おまえが自分で決着つけなきゃならないことなんだ。どんなにつらくても」里伽子を後ろから抱き締める朋章。「でもこうしているとどんどんぬくもってくるだろ」――。

全編にわたって様々な登場人物の思いが交錯していながら、いわゆる「荒々しさ」がない。皆がそれぞれに胸の内に想いを秘め、恋は進んで、あるいは終わっていく。
読んでいる内、某作家が著作の中で書いていた言葉を思い出した。――人を愛するのは、いつだって海の近くなのだ――

ちなみに、この作品は各章の扉絵もシンプルかつエロティックでセンスが溢れている。表紙の装丁も最高。

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